【公開日:2020年2月17日】

何かサプリあげたほうがいいかな?
ストルバイトの管理って難しいですよね?
ストルバイト用のフードをあげていても出ることもあるし、季節によっても管理しやすさが変化します。
ストルバイト治療は基本的はフードの管理だけでいいですが、必要に応じ「+α」がいります。
ペット栄養管理士の筆者がくわしく解説させていただきます。
記事のまとめ
- ストルバイトの管理はフードが基本。
- サプリ追加で改善しやすくなることもある。
- ストルバイトサプリは4つの目的から選ぶべき。
この記事でわかること
ストルバイトの管理にサプリは必要?
まずは結論。
ストルバイト管理に、サプリは必須ではない
です。
ただし
サプリを追加しないと上手くいかないこともある
というのも事実です。
詳しく解説していきます。
まずストルバイトを管理するには、以下が必須になります。
1、リン、マグネシウム、タンパク質を控える。 ↳ストルバイトの材料だから。 2、尿のpHを酸性にする。 ↳ストルバイトは尿がアルカリ性でできるから。
1と2はほぼすべてのストルバイト用の療法食が完備しています。
なので多くの場合は、ストルバイト用の療法食を使うことでうまくいくのです。

「ストルバイト用の療法食を使っていますか?」
「療法食と一緒に、おやつをたくさんあげていませんか?」※
※おやつからリン、マグネシウム、タンパク質が入ってしまうため。
まずはこの点をチェックしてみましょう。
あてはまる場合には、そこを改善する必要があります。
改善しなければ、いくらサプリを使ってもうまくいきません。
もし当てはまった方は以下の記事を読んでみてください。
ただし、上記のチェックポイントを守っていても、ストルバイトが出ることもあります。
ストルバイトが出やすくなるにはいくつかの要因があります。
- 尿のpHが、酸性になりにくい体質である。
- 水を飲む量(=尿の量)が少ない体質である。
- 細菌の感染がある。
- ストレスを感じやすい性格である。
4つのどれかに当てはまる場合、療法食だけで管理できないことがあります。
そんな時には療法食をサポートする意味で、サプリを使うことが有効です。

だからサプリを探してみたいんだけど、どんなサプリがいいのかな?
ストルバイトにおすすめのサプリ(目的別)
ではここからストルバイトに使えるサプリを4つの目的別に紹介していきます。
複数の目的をカバーできるサプリもありますが、最も当てはまるものから見てみて下さい。
ウロアクト
ウロアクトは日本全薬工業(株)から発売されている錠剤タイプのサプリです。
犬猫兼用で、動物薬メーカーが発売しているので安心感があります。
錠剤のサイズも小さく、猫や小型犬にも使いやすいです。
ウロアクトを使うと以下の作用が期待できます。
- pHを酸性側にする
- 排尿を促進する(尿の頻度が上がる)
ウロアクトにはクランベリーが配合されています。
クランベリーは尿のpHを酸性にする作用があります。
またウラジロガラエキスも入っており、これが利尿作用を持ちます。
排尿を促進できるということは、細菌も尿路中に存在しにくくなります。
上記よりウロアクトは「尿のpH」「尿量の少なさ」「細菌感染」のケアができる、守備範囲が広いサプリです。
なのでストルバイトのサプリを初めて使う時に最も使いやすい、といえます。
与える錠剤の数は、以下のめやすになります。
体重 | 与える数 |
猫 | 2粒 |
5㎏未満の犬 | 1粒 |
5㎏~20㎏の犬 | 2粒 |
20㎏の犬 | 3粒 |
尿のpHを測定する方法は、こちらの記事で解説しています。
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クランベリーPlus DL-メチオニン
クランベリーPlus DL-メチオニン(以下、クランベリー+メチオニン)は、粉末タイプのサプリです。
犬猫兼用です。
粉末はチキンレバー風味がついてあり、嗜好性が高いです。
なのでフードにかけて与えるのがおススメです。
クランベリー+メチオニンには尿pHを下げる作用のクランベリーが入っています。
またアミノ酸の一種、「DL-メチオニン」も尿pHを強く酸性にする作用があります。
実際にDLメチオニンは、尿のpHを酸性にする療法食にもよく使われます。
なので「クランベリー+メチオニン」は尿を酸性にする力が強く、「尿のpHが酸性にならなくて困っている」という時に、もっともおススメです。
与える量のめやすは以下の通りです。
体重 | 与える量 |
4㎏未満 | 1.5g |
4kg~7㎏ | 3g |
7kg~23kg | 4.5g |
23kg以上 | 6g |
クランベリーチュアブル
クランベリーチュアブルは、ぺティエンス社から発売されているサプリです。
犬猫兼用です。
ぺティエンス社は、動物病院用のサプリをたくさん作っている安心感がある会社です。
上記のクランベリー+メチオニンと同様、pHを酸性にする作用がありますが、その作用は少し弱いです。
ただチュアブルタイプなのでペットが食べやすく、おやつとして与えることができます。
なので「おいしいもので尿pHを酸性にしたい」という時におススメです。
体重 | 与える量 |
7kg未満 | 2粒 |
7㎏~23kg | 3粒 |
23kg以上 | 4粒 |
チュアブルには割りやすい割線が入っていますが、少し粒が大きいです。
それが気になる方は液体タイプも発売されています。
オリーブリーフ
オリーブリーフはアニマルズアパスキャリー社から発売されている、液体タイプのサプリです。
犬猫兼用です。
液体タイプなので、飲み水やフードにたらして使うことになります。
製品名の通り、原材料にオリーブの葉が使われています。
オリーブの葉には抗菌作用がありますが、もちろんこれは抗生剤のような「薬」ではありません。
なので薬以外の治療を重視する「ホリスティック治療」にも使われます。
ホリスティック治療とは?
薬などの西洋医学だけに頼るだけでなく、様々な方法を統合して行う治療。
自然治癒力を高めることも重視する。
なので「薬にあまり頼らず、細菌感染をコントロールしたい」という時におススメです。
種別 | 与える量 |
犬 | 5~45滴(標準は体重10kgにつき15滴) |
猫 | 5~15滴(標準は10滴) |
ジルケーン
ジルケーンはウロアクト同様、日本全薬工業(株)から発売されているサプリメントです。
犬猫兼用のカプセルタイプです。
ジルケーンには加水分解カゼインが配合されています。
加水分解カゼインは、犬猫のストレスを軽減する作用があります。
よって、ストレスからくるストルバイトを管理しやすくなります。
ストレスからくるストルバイトって何?
猫ではストレス性の膀胱炎が多いです。
ストレス性膀胱炎になると、尿からストルバイト結晶が検出されることが多いことが分かっています。
なので愛猫のストルバイト結晶は、もしかするとストレス性膀胱炎のサインかもしれません。
よってストレスに敏感なペットのストルバイト管理におススメです。
ジルケーンには「75㎎カプセル」と「225㎎カプセル」があるので、体重によって使い分けをします。
【 75㎎カプセル 】
体重 | 与える量 |
~5㎏ | 1カプセル |
5㎏~10㎏ | 2カプセル |
【225㎎カプセル】
体重 | 与える量 |
10~15㎏ | 1カプセル |
15 kg~20㎏ | 2カプセル |
ちなみに加水分解カゼインがもともと入ったc/dコンフォートというフードもあります。
ストルバイトに対応する療法食で、ジルケーンと同じ量の加水分解カゼインを摂取できます。
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ストルバイト用のサプリメントに関する記事は以上となります。
最後までお読みいただきありがとうございました!