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【ペット用ささみのサルモネラ汚染】原因や基準値をペット栄養士が解説。

更新日:

 

こんにちは!ピー子センパイです。

SNSやTV報道などで、「ペット用ささみでサルモネラ菌に感染し、ペットが死亡した」という事故が話題になっています。

この件で「うちの子も大丈夫?」「ペットフードの安全性が気になる」という方も多いかと思います。

ペット栄養管理士の目線を加えながら解説していきます。

 

事故発生の概要

今回の事故の原因となった商品は、生活クラブ連合会が販売していた「犬・猫用ササミ姿干し 無塩という商品です。

この商品にサルモネラ菌が入っていたことが判明しました。

製造元は(株)ノースペットという会社です。

現在、生活クラブのHPでは「ノースペット製品の取り扱いを中止する」という旨の発表がされています。

 

 

この製品は2018年の4月から販売がスタートし、これまでのべ47,222個が販売されています

生活クラブのHPによると2019年4月の時点で健康被害とサルモネラ菌・大腸菌の検出が確認されていました。

そこから謝罪や回収などの対応に時間がかかったことで会社の姿勢に批判が集まり、火種が大きくなっているような印象です。

また9月2日に、ビーフ干し肉製品(具体的な製品は未発表)でもサルモネラが検出されたと発表されました。

ノースペットの発表

 

~経緯まとめ~

2018年4月:販売が開始

2019年4月:生活クラブより「家庭内在庫廃棄のおねがい」が掲載される

2019年8月:68匹のペットに嘔吐や下痢の症状や、死亡例が出たことが報告される

2019年9月:ビーフ干し肉製品でもサルモネラが検出

 

飼い主さん
この製品をあげたことがあってすごく心配なんだけど、どうすればいいの?
人ではサルモネラ感染症が発症するまでの期間(潜伏期間)は4~72時間といわれています。

潜伏期間が長いものではないので、与えてから1週間たって何もなければほぼ問題ないでしょう。

ただ少しでも心配な場合には病院に連れていきましょう。

ピー子センパイ

 

ちなみに販売元の生活クラブでは「検査・治療費用を負担してくれる」旨が発表されています。

ただし「重大な健康被害が発生した組合員の皆様には」という前書きがあるので、どんな場合でも費用が出るわけではないようですが、一度生活クラブに電話で確認してから病院に連れて行くのがよさそうです。

生活クラブの連絡先(地域により異なる)

 

 

 

(株)ノースペットとは

北海道夕張郡にある会社です。

ペット用の卸店として事業をスタートし、現在では製造もおこなっているようです。

HPで確認できる分で、ペット用のおやつ(ジャーキーやビスケット)、計65種類を製造しています。

今回の生活クラブの扱っていた製品はプライベートブランドのような商品なので、プライベートブランド品の製造も請け負っていた模様です。

そういったものの製造を含めると、作っている種類はもっと多いと考えられます。

 

(株)ノースペットのHP

 

今回の対応ではまずいところも多かったようですが、ノースペット(株)はペットフード協会にも加盟しており、コソコソと違法性のあるようなことをしていたわけではなさそうです。

 

サルモネラ菌に感染するとどうなる?

サルモネラ菌は犬猫を含めた哺乳類の腸の中に常時存在していることも多いです。

ピー子センパイ
健康な犬の36%、健康な猫の17%にサルモネラ菌が存在していたという研究もあるよ。

 

それが衰弱状態や成長期・高齢などの抵抗力が弱った状態の個体だと「感染」を起こします。

感染すると胃腸炎や菌血症を引き起こす可能性があります。

上でも書きましたが、サルモネラ菌の潜伏時間は長くありませんので、症状が出る子は食べてから1日2日で出ると考えられます

治療は抗生剤でサルモネラ菌をやっつけるというものがメインになるでしょう。

 

ちなみにサルモネラ菌が放出する毒素は熱に弱いです。

なので加熱がしっかりと行われていれば、病原性の強いサルモネラ毒は消失します。

今回ノースペットの発表では「原材料からはサルモネラは検出されなかった」という旨の発表がされていることから、個人的な推測では製造工程に問題があったのではないかと考えています。

 

実際にノースペットのHPでは製造工程で「高温の処理をしっかりしない」ともとれる記載があるのもその理由の1つです。 

 

農林水産省発行の「ペットフードの適正製造マニュアル」でも、ジャーキーの製造において、加熱処理が最も大事な工程と位置付けています。

 

 

ペットフードの適正製造マニュアル

 

日本でのペットフードの大きな汚染騒動だと、2011年にアイムスの療法食でもカビ毒での自主回収がありました。

数年に1回はこのようなことが起こってしまっているのが現状です。

 

日本のペットフード基準が甘いから起きたわけではない

今回の件でメディアは「ペットフードは人間の食品に比べて、基準が甘いんだ!」という話にもっていっています。

日本でペットフードの安全基準などを定めた「ペットフード安全法」でも「サルモネラは〇mg以内」などの具体的な基準はありません

 

ピー子センパイ
ただそもそもサルモネラは農薬や添加物ではなく微生物であり、それ自体が危険物質のため、「混入があってはならない」というものです。

なので基準値も何もなく、論点が間違っています。

 

実際にペットフード安全法では「有害物質が入っている疑いがある場合には、その製造や販売を禁止する」という記載があります。

ここにサルモネラ菌も含まれます。

農林水産大臣及び環境大臣は、次に掲げる愛がん動物用飼料の使用が原因となって、愛がん動物の健康が害されることを防止するため必要があると認めるときは、農業資材審議会及び中央環境審議会の意見を聴いて、製造業者、輸入業者又は販売業者に対し、当該愛がん動物用飼料の製造、輸入又は販売を禁止することができる。

一 有害な物質を含み、又はその疑いがある愛がん動物用飼料

二 病原微生物により汚染され、又はその疑いがある愛がん動物用飼料

 

なのでメディアの「ペットフードは基準が甘いんだ」という話はまったくもって的外れです。

繰り返しますが、日本でもサルモネラは入っていてはいけないもので、入っているフードの製造・販売は禁止されているんです。

今回の件は、日本のペットフード基準の問題ではなく、ノースペットの製造の問題ととらえるべきでしょう。

 

ペットオーナーの皆さんにはぜひ正しくポイントを理解していただきたいものです。

 

ちなみに国内ではペット用品の自主回収などの情報をまとめたサイトがありますので、そちらを定期的にチェックするのもいいですね。

リコールプラスのHP

 

いかがだったでしょうか?

今回の件で健康被害にあわれたワンちゃんや猫ちゃんたち、そしてその飼い主さんたちは本当につらい思いをしているかと思います。

二度とこのようなことが起きないよう、製造業者には気を付けていただきたいものですね。

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