こんにちは!ペット栄養管理士のかむかむです。
わんちゃんが何日も食べ物を食べないってなったら心配ですよね。


今現在「何も食べない」と困っている方もいるかもしれませんし、今は大丈夫でも将来の備えとしてこのような事態に備えて情報を知っておくことは大切です。
今回は犬が何も食べない時の原因や、そんな時でもよく食べてくれる確率が高いものを解説していきます。
この記事でわかること
犬が何も食べない原因
犬が何も食べない、という原因もたくさんあり得ますが代表的なものをあげていきます。
病気
以下のような病気は「気持ち悪さ」や「吐き気」を引き起こすため食欲が低下しやすいです。結果的に何も食べないという状況が何日も続くことが十分あり得ます。
食欲の低下を引き起こす病気
腎臓病
がん
肝臓病
胃腸炎
膵炎
胃腸炎や膵炎は嘔吐や下痢といった分かりやすい症状がでますが、それ以外は目に見える症状がないこともあります。
ポイント
腎臓病やがん、肝臓病は高齢になると増える病気です。高齢犬が「目に見える症状がなく何も食べない」という状況ならこれらの病気を疑って病院に早めに連れていきましょう。
痛みがある
病気の話とも関連する場合がありますが、犬は強い痛みがある場合も食欲が低下し、何も食べなくなることがあります。
いつの間に骨折していたり、関節炎があったりすることもあります。犬は痛みを分かりやすく発信しないので飼い主が気づかないことも多々あります。

痛みは筋肉、骨、内臓いたるところで起こり得ますが「痛みの部位を触ろうとするといやがる」傾向にありますので、体のいろんな個所を優しく触ることで、ある程度確かめられる可能性があります。
注意
痛みのある場所を触ろうとすると噛みつくこともあります。
慎重に優しく声をかけながら触診しましょう。
老犬・シニア
シニア期に入った老犬は「物を食べる、飲み込む」といった能力が低下していきます。また人間と同様に若い頃より単純に食欲が低下します。
さらに寝たきりなどの状況になるといっそう物を食べなくなっていきます。
このような場合は流動食であれば犬も最小限の労力で飲み込むことができるので摂取してくれる可能性が高まります。
動物病院でもよく使われる商品をいくつか掲載しておきます。
空けたときには普通の缶詰、かき混ぜるとドロドロの流動状になる一石二鳥の缶詰です。嗜好性も非常に高いと評判です。
粉末で水に溶かすタイプです。水なのでかなりさらさらとした状態になります。
こぼれやすい流動食を与えるときは注射器(シリンジ)を使うのがおすすめです。衛生を考えると複数本準備しておくのがいいです。
おいしいものが出てくると覚えている
犬が過去に「嫌いなものを食べずにいたら飼い主さんがおいしものを出してくれた」という学習をしてしまっていて、それが重度になってしまうと何も食べないということがあり得ます。わがままになっている状態です。
これは病気ではないので根競べで改善することがほとんどです。
逆にここでまたおいしいものを与えてしまうと、また次回同じ状況になり改善がどんどん難しくなっていきます。
犬が何も食べないときにおすすめの食べ物
犬が何も食べない理由をいくつか紹介しましたが、病気や高齢期が理由の時には少しでも早く栄養補給をしてあげたいところです。
そのような状況では栄養バランスよりも、何でもいいのでエネルギーを補給するということが何より大切です。
そこで「食欲がない犬でもこれはよく食べる!」といわれることの多い商品をいくつか紹介します。
ちゅーる(いなばペットフード株式会社)
言わずと知れた平成の名作です。
ゼリー状になっているため水に溶かして使うなどの汎用性もあります。
製造元のイナバに「ちゅーるがなぜおいしいのか」の秘密を問い合わせてみたところ「企業秘密」だそうです。(笑)
デビフ缶(デビフペット株式会社)
デビフ缶もロングセラー商品でいくつかのタイプがあります。
実は動物病院でも、入院している犬への最後の切り札として使われているところも数多くあります。
一般的な缶詰よりもにおいが強く、缶詰を開けると人間が見てもおいしそうに見えてしまいます。レバーなどを使っているからだと思います。
紗(ドギーマンハヤシ株式会社)
こちらはおやつですが、紗(さや)もなぜか食欲不振でも食べてくれる確率が高いです。
うちのビーグルがリンパ腫で亡くなる前の最後の1週間、ほとんど何も食べなかった時に紗だけは食べてくれました。
おやつなので少量ずつちぎって与えられるのもうれしいところでした。
犬の皮膚型のリンパ腫の体験ブログ。これをやっておいてよかった。
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犬が何も食べない時、何日まで大丈夫?
ちなみに病気などがない状態の時に、犬が食べ物抜きでどれくらい生きられるかというと、水さえ飲めて入れば犬は1週間くらいは何も食べなくても生きていけます。
人間でも遭難した人のニュースなどを見ても食べ物なしで1週間程度は生きていけていますよね。あれと同じです。
ただ犬の体のうち70%くらいは水でできていますので、水分を摂取できていないようだと1週間も持ちません。
ですので何も食べない時に「水を飲めているか」だけは必ず確認しましょう。水も飲めていないようなら1週間様子を見ることはやめて、すぐにでも病院に連れて点滴をしてもらうことが必要です!
水を飲ませる工夫
魚やお肉のゆで汁を飲み水に混ぜる、ドッグフードの缶詰の汁を飲み水に混ぜる等が有効です。
自力で飲まない場合にはスポイトなどを使ってもいいでしょう。
それと何も食べない原因が上に書いたような病気にありそうな場合もすぐに病院へ行きましょう。
どんどん体が病気に侵されていきます。
いかがだったでしょうか。
何も食べてくれないと飼い主も不安になりますし、パニックになってしまうこともありますが、このようなことを事前に知っておくと心の準備ができますね。
ちなみに犬にも「おふくろの味」的なものが存在するといわれています。子犬の時によく食べていた食べ物を最後の最後に食べてくれたというエピソードもよく聞きますので、過去のことも振り返っていろいろと工夫してみましょう。