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こんにちは!
ペット栄養管理士のピー子センパイです。





もうすぐ3月11日、東日本大震災から丸8年が経ちます。
それに合わせて発売された新刊
「スヌーパー 君がいた40日~避難所の小学校で起こった小さな奇跡~」を読んだ感想などをまとめてみました。
犬を飼っているすべての方に読んでいただきたい名著です。
東日本大震災
被害の概要(2018年9月10日時点)
死者、行方不明者:18,432人
建築物の全壊・半壊:202,704戸
現在の避難者:約70,000人
言うまでもなく大きすぎる被害です。
その中でペットについてですが、環境省からの情報でもペットの死者数などの正確な被害状況は不明と発表されています。
事前に登録されているペットの数(特に犬)はわかっているようですが、その後の申請を市民の方に出してもらうということはできないのでしょう。
ちなみに東日本大震災から「ペットとの同行避難」の難しさや備えが発信されるようになりましたね。皆さんはどれだけ情報をお持ちでしょうか?
この本ではそこについても大きな学びを得ることができます。
本のあらすじ
本のあらすじを解説します。少しネタバレになりますので、ここまでで「この本を買う」と決めている方は読み飛ばしてください。
出会い
物語の舞台は宮城県の石巻市。東日本大震災で津波での被害が大きかった都市のひとつですね。
石巻市のHPからの情報を掲載します。
石巻市の被災状況
死者:3,184人
行方不明者:417人
当時の人口:153,452人
東日本大震災によって全人口の2%が亡くなったもしくは行方不明になっているという計算です。
スヌーパーは石巻市の海岸沿岸部の阿部康子さんのご家庭に赤ちゃんの時に引き取られました。
友人から「犬の赤ちゃんが生まれたから引き取らない?」と声がかかり、康子さんは複数いる赤ちゃんの中から最も「ヘタレ」だったスヌーパーを選びました。
そして一度はしつけに失敗するものの、近くに住むしつけインストラクターの方の「ほめる指導」により康子さんたちの指示を忠実に聞き取れる犬に成長したようです。
被災
もっとも緊迫感のあるシーンです。何度読み返してもこのシーンは読み入ってしまいます。
震災のその瞬間、康子さんとスヌーパーは室内におり、旦那さんとご両親は家の外にあるキャンピングカーで逃げようとした時に津波に飲み込まれたようです。
康子さんはスヌーパーに「スヌー、アップ!待て。」と指示しました。これは「ベットマット(水に浮くもの)にあがりなさい!そのまま待ちなさい」という意味です。康子さんもこのマットにつかまりながら、このマットが沈没したり他のものの下敷きにならないようバランスをとっていたそうです。
また康子さんはジャンパーを着ていたそうなのですが、溺れるリスクが高くなることから一度水中(真っ黒なヘドロのような水)にもぐりそれを脱ぎ捨てたそうです。
それにより康子さんとスヌーパーは津波が去るのをマットの上で待ち、生き延びることができました。また、キャンピングカーにいたご家族も無事でした。
ポイント
どんな時でも冷静でいることが生死を分けます。
康子さんは趣味でダイビングをやっていたことがあり、その経験が津波の最中でも冷静な判断を保てた要因だと書いています。
避難所生活
結果的に避難所生活は40日になったそうです。小学校の多目的教室に段ボールを敷き過ごしていました。私も北海道胆振東部自身で2日間だけ停電生活を送りましたので、この時のストレスは想像を絶する重いです。
この章は犬との避難所生活のリアルを知ることができます。
正直わたしも犬との同行避難を軽く考えていました。今思うと想像がつかなかったというのが理由だと思います。この本はそれをすべて解決してくれました。自分がそこに存在しているかのように犬との避難生活を感じられます。
この本からわたしが学んだ、犬との避難生活におけるポイントをまとめてみました。
犬との同行避難
- 避難所の同部屋にいる人の考え方により、犬といられるかどうかが決まる。
- それには犬が「いい子にできるか」がなにより重要。
- クレートが落ち着く場所であるというトレーニングは必須。
大きな災害時にはいろんな状況があり得るため、ペットの扱いは避難場所(さらにいうとその部屋ごと)に決めるということになるそうです。
ある意味部屋の方に自分の犬が認めてもらえるかどうかがカギ、ということです。避難時のピリピリした雰囲気の中で吠えたり落ち着かないと認められづらくなりますし、何より飼い主側が居づらくなります。実際に部屋から出ていく方も多数いたようです。
またクレートに入っていられるかどうかの大切さも重要です。災害時には飼い主が炊き出しの当番や被災した家に物を取りに行くときなど、犬を部屋に置いていかなければいけない状況が多数あります。そのときにクレートに入っていられないと行動が大きく制限され、当番への協力ができないなど何かと居づらい状態になってしまうそうです。
クレートとは?
持ち運びできるペットの部屋のこと。こんなものです。
避難生活から解放されたときのシーンは涙が止まりませんでした。
またスヌーパーは震災の1週間前にガンの手術をしていたそうなのですが、震災後1年ちょっと経って再発し亡くなりました。このシーンでも康子さんのとある状況に涙しました。
こんな方におすすめ
ここまで記事を読んでいただいて「大切なことが詰め込んである」ということが少しでも伝わっているとうれしいです。最後にピー子的にこんな方が読むといいのでは?というのをまとめてみました。
こんな犬オーナーにおすすめ
- 災害があり得る地域に住んでいる方
- 愛犬との避難についてのリアルを知りたい方
- 愛犬のしつけの大切さを学びたい方
- 感動したい方・涙活したい方


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以上皆様のお役に立てばうれしいです。