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こんにちは!
ピー子センパイです。

病気になったみたいなんだけど、大丈夫かな?
直接命にかかわる病気ではないし、きちんとした治療もあるから安心していいよ。
みんなに分かりやすく理解してもらうために解説していこう。


犬界のお友達ではそんな病気聞いたことなかったから心配だったよ。
犬だと甲状腺機能低下症が多いけど、それとは違う病気だよ。

猫の甲状腺機能亢進症は近年発見される子が増えているといわれています。
高齢になると増えてくる病気ですので、
これからのシニアを迎える猫のオーナーさんたちも注意しておいてほしい病気です。
ということで、こちらの記事では猫の甲状腺機能亢進症について、治療の話をメインに解説していきます。
この記事でわかること
猫の甲状腺機能亢進症とは
甲状腺機能亢進症は「甲状腺ホルモン」が体内に増えすぎることによる病気です。
人のバセドー病と同じだと考えてください。
右が甲状腺機能亢進症の状態です。
ホルモンが体内で増えすぎた状態になっていますね。
甲状腺機能亢進症になると次のような症状が出ます。
甲状腺機能亢進症の症状
- 食欲が増える。
- 体重が落ちる、やせてくる。
- 毛がバサバサになったような感じになる。
- 凶暴になる。突然走り回る。
「ぐったりする」とか「食欲が落ちる」という症状が出ないので、
なかなか気づくのも難しい病気です。気づけたときはラッキーかもしれません。
ちなみに病院では血液検査で「T4」のチェックをします。
T4とは甲状腺ホルモンの体の中の濃度のことです。
T4が5µg/dl以上だと甲状腺機能亢進症の可能性が高いです。
ポイント
甲状腺機能亢進症の原因はわかっていません。
7歳以上の10頭に1頭がこの病気だとも言われています。
猫の甲状腺機能亢進症の効果的な治療3選
日本で行うことができる治療で有効と考えられているのは以下の3つです。
猫の甲状腺機能亢進症の効果的な治療3選
- 甲状腺の摘出(手術)
- お薬
- フード(病院用療法食)


順を追って解説していきます。
甲状腺の摘出(手術)
文字通り甲状腺(という組織)を手術でとってしまう方法です。
甲状腺ホルモンはこの甲状腺から出ています。
甲状腺を手術で取ってしまえばホルモンの量が少なくなる、というものです。
ポイント
ただし獣医さんたちの中でもこの手術ができる先生は少ないのが現実です。
お薬
メルカゾールというお薬を使います。
メルカゾールは体内での甲状腺ホルモンの合成を少なくしてくれる薬です。
おくすりが大丈夫な猫ちゃんであればやりやすい治療です。
ポイント
メルカゾールにも副作用が出ることがあります。
おなかがゆるくなったり、皮膚がかゆくなる子が2割程度いるといわれています。
フード(病院用療法食)
ペットフードのヒルズから出ている「y/d」というフードを使います。
y/dには「ヨウ素」という成分がフード中にほとんど入らないようになっています。
甲状腺ホルモンは食べ物の中のヨウ素を原材料にしてできています。
ヨウ素がフード中に少なければ、甲状腺ホルモンの量が少なくなるということですね。
ポイント
ヨウ素という成分は海産物に多く含まれているよ。
y/dを使いつつ、マグロをあげちゃうなんてことをすると効果が薄れちゃうね。
※病院用の療法食です。動物病院の指導に沿って与えてください。
ヒルズのyd、缶詰も美味しいみたいでよく食べてます。
ご飯の切り替えはちょっとずつ混ぜるのが基本ですが、いきなりydばかりでもモグモグむしゃむしゃ(*´꒳`*)
本当によかった!!
体重ちょびっと増えました\(^^)/ pic.twitter.com/UxEAfJ6X2C— ネコベア(ネコトモプレイ中) (@nekobear1) 2018年11月9日
今までのものを、だいたいの治療費も含めてまとめてみます。
また治療がいつまで続くかについても記載します。
3つの治療のまとめ
治療費
(1か月あたり) |
メリット | デメリット | |
手術 | ?
(手術する先生が 少ない) |
ホルモンは確実に少なくなる | 治療を途中で
ストップできない。 |
お薬 | 10,000円前後 | 試しやすい。
薬を飲めれば 効果も期待できる。 |
副作用がある。
薬を飲めない子は使えない。 |
フード | 5,000円前後 | トライしやすい
フードを食べれば 効果も期待できる。 |
フードの好き嫌いがある。 |
※治療費は猫ちゃんの状況や病院によって異なります。あくまで参考程度に考えてください。
効果が出たら治療はやめていい?
3つのいずれかの治療をして、その子に合えば症状は減っていきます。
ただしすべての症状が改善されるかというとそうでもありません。
また症状が改善しても治療はつづけたほうがいいです。
おくすりもフードも「甲状腺ホルモンをその時だけ作らせないようにする」ものだからです。
一生ホルモンの量を減らせる治療ではありません。https://twitter.com/nekobear1/status/1060738595407880192
一時的にホルモンが作られなくなっても、おくすりやフードをやめてしまえばまたホルモンは作られます。
ですので、治療を始めたら一生涯続けていくものだと考えたほうがいいですね。
いかがだったでしょうか?
冒頭にも書きましたが、猫の甲状腺機能亢進症は発見されづらい病気です。
甲状腺機能亢進症という病気が猫の身近にあるということを知っていただくこともとても大切です。