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こんにちは!
かむかむです。
高齢の猫ちゃんが増える中、慢性腎臓病になる猫ちゃんも増えています。
最近の統計だと
10歳の猫の約15%
15歳の猫の約40%
が慢性腎臓病にかかっているといわれています。
もし自宅の猫ちゃんが慢性腎臓病になったら
「これから一緒にいられる時間は長くないのか・・・」
と落ち込んでしまうかもしれません。
ただそこはいいニュースです!
犬に比べて猫は慢性腎臓病になってもかなり長生きします。
長い子だと症状が出てから数年単位で長生きする子もいます。
なのでそこまで落ち込まないでくださいね。
ちなみに以下のリンクの記事では慢性腎臓病のときの「点滴」と「フード」の大切さについて解説しました。
本記事ではもう少し「フード」の栄養バランスとその意味を深堀しています。
慢性腎臓病をよく理解したい方向けです。
※「手っ取り早くまず具体的なおすすめフードをまず知りたいんだ!」というかたはこちらのリンクをまず確認してください。
慢性腎臓病で気を付けるべき3つの栄養素
腎臓病の時に、腎臓や体に負担をかける栄養素はこの3つです。
・タンパク質
・リン
・ナトリウム
慢性腎臓病のときはこの3つの栄養素を減らしたフードを与えていく必要があります。
タンパク質
タンパク質は肉類に多く含まれる栄養素ですね。
タンパク質を減らすことで体で生まれる老廃物を減らし、慢性腎臓病の症状を減らすことができます。
腎臓の検査をして「BUN」という数字が高くなります。
BUNは「老廃物がどれだけ体の中を回っているか」という目安なのでこれが高くなっていると猫はとてもつらいです。(つらさを表には出しませんが・・・)
人間が常に猛烈な吐き気に襲われているのを想像してください。
実はこの老廃物はタンパク質からできるものなので、タンパク質を少ないものを与えると状態が改善します。
慢性腎臓病のときはタンパク量は28%~35%(乾物量分析値という分析方法で)が推奨されています。
またタンパク質は肉類に多く含まれますので、
肉類でできたおやつ(ささみなどが入っているもの)を与えるのもやめましょう。
注意
老廃物を減らしたいからと言って「手作りならタンパク質を0にできる!」なんてことを考えるのはやめましょう。
もともと肉食性が強い猫は、生きていくためにタンパク質が多く必要です。
「タンパク質0」を続けてしまっては、慢性腎臓病とは別の理由で寿命を短くしてしまうことになります。
リン
リンも慢性腎臓病のときに状態を悪化させる栄養素です。
2年間「リンを控えたフード」を使うのと「控えていないフード」を使うのと比べると、生存率が2倍高くなるというデータも出ています。
フードの中でもリンが少ないものを選ぶことが必須です。
また慢性腎臓病のときに「活性炭が有効」と聞いたことがある方もいるかもしれません。
脱臭効果やお米をおいしくする効果があるといわれるものですね。
活性炭はリンと結合して、リンが血液中に流れないようにする働きがあるのですが、慢性腎臓病のフードの中には活性炭を入れているものもあります。
リンは0.3%~0.6%(乾物量分析値という分析方法で)くらいのフードを使うのがおすすめされています。
リンは肉類や魚介類に多く含まれます。
おやつとしてそれらを与えるのもやめましょう。
ナトリウム
もともと腎臓は血圧のコントロールをしています。
腎臓の機能が低下すると血圧のコントロールがうまくいかなくなり、慢性腎臓病の時は高血圧になります。
高血圧の時にナトリウム(塩分)を多くとりすぎてしまうと高血圧が悪化し、状態が悪くなります。
なのでナトリウムも慢性腎臓病のときは控えていく必要があります。
ナトリウムは0.4%以下のものが推奨されます(乾物量分析値という分析方法で)。
人間用の食品に入っているナトリウム量は猫にとって間違いなく過剰になります。
人間の食品をおやつであたえるのはやめましょう。
以上が慢性腎臓病のときに気を付けるべき栄養素3つでした。
必ず
・タンパク質
・リン
・ナトリウム
を控えたものを与えるようにしましょう。
慢性腎臓病用のフード、特に病院食はこれらの3つの栄養素を控えるように設計されています。
実際に病院食を使うと圧倒的に長生きできますからぜひ使うことをお勧めします。
最近では単なるドライフード(カリカリタイプ)や缶詰だけでなく、チュールタイプや半流動のものなど、猫ちゃんに合わせていろんなフードが開発されています。
味の好みがある猫ちゃんも満足なものがきっと見つかるはずです。
慢性腎臓病用のフードのおすすめはこちら。
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