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こんにちは!
ペット業界10年、専門家1000人以上と仕事をしてきたピー子センパイです。
猫ちゃんてほんと長生きですよね。
一般的な高齢期といわれる「7歳」以上の猫が、日本にいる猫全体の45%と言われています。(2017年ペットフード協会調べ)
さらに16歳以上の猫も猫全体の7%と、ご長寿の猫もけっこういます。
ただ年を取っていくにつれて無視できなくなるのが腎臓の衰えです。
腎臓が衰えていくと慢性腎臓病という病気になっていきますが、ご長寿な分、犬よりも猫のほうが慢性腎臓病が多くなります。
ですのでこの記事では猫の腎臓とのかかわりについて紹介していきます。
猫は腎臓病になりやすい
冒頭にも書きましたが、猫は長生きする子がおおいです。
腎臓はだれでも年を取ると悪くなっていきますから、その分猫は腎臓が悪くなりやすいです。
また別の点からも猫は腎臓が悪くなりやすくなる理由があります。
腎臓は体の中にある「いるもの」と「いらないもの」を選別し、
・「いるもの」は体の中に戻し再利用します。
・「いらないもの」を尿として体の外に排出しています。
図にするとこんな感じです.
猫の先祖はリビアヤマネコという砂漠にすむ動物です。
砂漠には水があまりないので、水を飲チャンスが少ないです。
ですのでヤマネコたちは体から水分を出す行為(尿を出す)をなるべく避けようとしてきました。(水を体から出すなんてもったいない!という精神です)
その結果、腎臓での選別や水分の再吸収(イラストの右上、いるものを体に戻す行為)に異常が出やすくなってしまったといわれています。
砂漠地帯でかしこく生きていくための体のつくりが腎臓に負担をかけやすくなってしまったということですね。
ポイント(なぜ猫は腎臓病になりやすいか)
①長生きする子が多いから
②先祖のリビアヤマネコの時代から、体から水分を失わないために腎臓に負担がかかりやすいから
猫の腎臓を大切にする方法
仮に腎臓が悪くなって慢性腎臓病になってしまっても、猫は犬よりかなり長生きします。
それは「水分の再吸収」がうまくいかなるという状態は、ある程度「点滴」でカバーできるからです。
慢性腎臓病の時は血液中に老廃物の濃度が濃い状態になってしまいます(この時に水分の再吸収がうまくいっていないと、濃度が濃くなりやすいのです)。
ただ水分は点滴で補うことができますから、動物病院に定期的に行って水分を体に補充してあげると症状が和らいだ状況を保つことができます。
ただあくまでこれは対症療法で根本的な問題解決にはなりません。
腎臓は悪くなることはあってもよくなることはないので、なるべくそうなる前にケアをしていくことが根本的な問題解決です。(つまり予防)
では根本的な腎臓のケアでは何をすればいいかというと以下の2点です。
①水をなるべく飲ませる工夫をする
猫は体から水を失わないようにする体質があるため、その分水もあまり飲もうとしない傾向があります。
(人間も映画を見に行くときなどのトイレに行けないような場面の前には、あまり水分を摂らないようにしますよね。それと一緒です)
つまり水を飲むということが下手なので、それをサポートしてあげるとよいです。
サポートとは「好みの水を見つけてあげる」ということです。
・水道の蛇口からこぼれる水またはお湯(温度にも好みがあります)
・お風呂場にたまっている水またはお湯
・流れる水(小さな噴水ができる機械があります)
など猫ちゃんごとに好みがあります。
また単純に1つのボウルに水を入れておくだけよりも、家の中にいくつかの水飲みボウルがあるほうが水を飲む量が増えます。
またボウルの素材にこだわる猫もおり、陶器でできたボウルだと水を飲む量が増える、という研究もあります。
このような好みを早いうちから見つけておくと、長い目で見て水を飲む量が増え、腎臓のケアにつながります。
②フードを変更する
これは「7歳を超えたら」「慢性腎臓病の兆候が出たら」という話ですが、フードを腎臓に負担をかけにくいものに変えるのもとてもよいです。
腎臓に負担をかけないフードとは
・タンパク量が控えめ
・リンの量が控えめ
・ナトリウムの量が控えめ
のことを指します。
腎臓のケアをうたっているフードであればこの3つは必ず含まれています。
ポイント(猫の腎臓をケアするために)
①水を多く飲ませる(水の好みを見つけておく)
②腎臓のケアをしたフードに変更する
いかがだったでしょうか?
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